先日歴代iPad全モデル一覧。各モデルの見分け方と進化の歴史を振り返る。という記事を書きました。
iPadをおすすめしているとよく聞かれる質問の中でも「iPad ProとAirはどっちを選んだほうがいいの?」という内容が非常に多いように感じます。
私自身、iPad Pro11インチを使用していますが、購入するときにはAirにしようか悩みました。
今回は、その経験をもとにiPadProとiPadAirの選び方、それぞれのメリットとデメリットについて整理してみたいと思います。iPadを購入するときの参考例の一つとしてもらえたらうれしいです。
Contents
iPadのラインナップ
2024年3月現在で発売されているiPadのラインナップは5種類。そのうち2種はiPadの第9世代と第10世代が併売されているので、モデル自体は4種類となります。
iPad Airは、2020年に発売された第4世代からデザインが刷新され、デザインも機能面もiPad Pro 11インチモデルに非常に近くなりました。この影響からどちらを選べばいいのかと迷う人が増えた傾向にあります。
※iPadのラインナップについてはこちらの記事で詳しく比較しています。
iPad ProとiPad Airを比較
iPad Pro11インチとiPad Airそれぞれ最新モデルでの比較をしていきます。
項目 | iPad Pro 11インチ | iPad Air5 |
---|---|---|
カラー | シルバー スペースグレイ | スペースグレイ スターライト ピンク パープル ブルー |
価格 | Wi-Fi 124,800円~300,800円 Wi-Fi + Cellular 148,800円~324,800円 | Wi-Fi 92,800円~116,800円 Wi-Fi + Cellular 116,800円~140,800円 |
共通する容量(256GB)の 価格比較 | Wi-Fi 140,800円 Wi-Fi + Cellular 164,800円 | Wi-Fi 116,800円 Wi-Fi + Cellular 140,800円 |
容量 | 128GB 256GB 512GB 1TB 2TB | 64GB 256GB |
サイズと重量 | 247.6*178.5*5.9 mm Wi-Fiモデル:466 g Wi-Fi + Cellularモデル:468 g | 247.6*178.5*6.1 mm Wi-Fiモデル:461 g Wi-Fi + Cellularモデル:462 g |
ディスプレイ | 11インチ Liquid Retinaディスプレイ IPSテクノロジー搭載11インチ(対角)LEDバックライトMulti-Touchディスプレイ 2,388 x 1,668ピクセル解像度、264ppi ProMotionテクノロジー 広色域ディスプレイ(P3) True Toneディスプレイ 耐指紋性撥油コーティング フルラミネーションディスプレイ 反射防止コーティング 1.8%の反射率 SDR輝度:最大600ニト Apple Pencilによるポイント | 10.9インチ Liquid Retinaディスプレイ 2,360 x 1,640ピクセル解像度、264ppi 広色域ディスプレイ(P3) True Toneディスプレイ 耐指紋性撥油コーティング フルラミネーションディスプレイ 反射防止コーティング 1.8%の反射率 500ニトの輝度 |
チップ | Apple M2チップ | Apple M1チップ |
カメラ | Proのカメラシステム:広角カメラと超広角カメラ 広角:12MP、ƒ/1.8絞り値 超広角:10MP、ƒ/2.4絞り値、125°視野角 2倍の光学ズームアウト 最大5倍のデジタルズーム 5枚構成のレンズ(広角と超広角) より明るいTrue Toneフラッシュ パノラマ(最大63MP) サファイアクリスタル製レンズカバー Focus Pixelsを使ったオートフォーカス(広角) スマートHDR 4 写真とLive Photosの広色域キャプチャ レンズ補正(超広角) 高度な赤目修正 写真へのジオタグ添付 自動手ぶれ補正 バーストモード 画像撮影フォーマット:HEIF、JPEG | 12MP広角カメラ、ƒ/1.8絞り値 最大5倍のデジタルズーム 5枚構成のレンズ Focus Pixelsを使ったオートフォーカス パノラマ(最大63MP) スマートHDR 3 写真とLive Photosの広色域キャプチャ 写真へのジオタグ添付 自動手ぶれ補正 バーストモード 画像撮影フォーマット:HEIF、JPEG |
ビデオ | 4Kビデオ撮影(広角:24fps、25fps、30fpsまたは60fps) 1080p HDビデオ撮影(25fps、30fpsまたは60fps) 720p HDビデオ撮影(30fps) 最大4K、30fpsのProResビデオ撮影(容量128GBのモデルでは1080p、30fps) 2倍の光学ズームアウト オーディオズーム より明るいTrue Toneフラッシュ 1080pスローモーションビデオ(120fpsまたは240fps)に対応 手ぶれ補正機能を使ったタイムラプスビデオ ビデオの拡張ダイナミックレンジ(最大30fps) 映画レベルのビデオ手ぶれ補正(4K、1080p、720p) 連続オートフォーカスビデオ 再生ズーム ビデオ撮影フォーマット:HEVC、H.264 ステレオ録音 | 4Kビデオ撮影(24fps、25fps、30fpsまたは60fps) 1080p HDビデオ撮影(25fps、30fpsまたは60fps) 720p HDビデオ撮影(30fps) 1080pスローモーションビデオ(120fpsまたは240fps)に対応 手ぶれ補正機能を使ったタイムラプスビデオ ビデオの拡張ダイナミックレンジ(最大30fps) 映画レベルのビデオ手ぶれ補正(4K、1080p、720p) 連続オートフォーカスビデオ 再生ズーム ビデオ撮影フォーマット:HEVC、H.264 |
スピーカー | 4スピーカーオーディオ | ステレオスピーカー |
ID | Face ID | Touch ID |
対応アクセサリ | Magic Keyboard Smart Keyboard Folio Apple Pencil(第2世代) | Magic Keyboard Smart Keyboard Folio Apple Pencil(第2世代) |
価格と容量(ストレージ)
iPad ProとAirの大きな違いの一つとして容量帯のバリエーションがあります。iPad Airは64GBと256GBの2ラインナップに対し、iPad Proは64GBはなく、128GBからのスタートで2TBまでと容量を選ぶことができます。
価格が安いモデルはiPad Airの64GB、最も高いモデルはiPad Proの2TBです。同じ容量256GBで比較すると24,000円程の価格差があります。
デザイン
iPad Air4から筐体が刷新されUSB-C端子対応やホームボタン廃止、MagickeyboardやApplepencil第2世代に対応するなどiPad ProとAirの大きな違いは少なくなっています。
ディスプレイサイズ
iPad Proは一般的には11インチと12.9インチの2つのサイズがあります。これらのモデルは、大きなディスプレイを提供し、特にグラフィックデザインやビデオ編集などのプロフェッショナルな用途に適しています。
iPad Airは第4世代以降10.9インチのディスプレイを搭載しています。これはiPad Proよりも若干小さいですが、十分な表示領域を提供し、一般的な作業やエンターテインメント用途に適しています。
iPadPro11インチとiPadAirを比較すると具体的な数値上の違いは0.1インチですが、実際の表示面積の差はそれほど大きくありません。ベゼルがわずかに太くなるので野暮ったくなる印象がありましたが、実際に現物を確認してみると思ったほどではなく、並べて比較しないとわからない程度でした。本体サイズはほぼ同じなので、一般的な使用においては違いは気にならないと思います。
機能・スペック
プロセッサー
iPad Proはより高性能なプロセッサーを搭載しています。最新のiPad Proモデルでは、AppleのM1チップを採用しています。一方、iPad AirはAシリーズチップを搭載しており、Proモデルよりも性能が低いですが、一般的なタスクやアプリの実行には十分な性能を提供しています。
ディスプレイ
iPad Proは一般的に高解像度で、リフレッシュレートも高いディスプレイを搭載しています。特に、ProMotionテクノロジーにより、最大120Hzのリフレッシュレートを実現しています。一方、iPad Airは通常のRetinaディスプレイを搭載しており、Proモデルよりもリフレッシュレートが60Hzと低い仕様になっています。
デザインとサイズ
iPad Proは大きいサイズのモデルもあり、特に12.9インチのモデルでは、より大きなスクリーンを提供しています。一方、iPad Airは通常、より小さく、軽量であり、持ち運びやすいデザインです。
カメラとセンサー
iPad Proは一般的により高性能なカメラとセンサーを搭載しています。特にLiDARスキャナーは、Proモデルでのみ利用可能です。一方、iPad Airはより基本的なカメラ構成です。
iPad ProとiPad Air、それぞれのユーザー像
iPad Proが向いている人
- 手書きの頻度が高く、よりリアルな描き心地を求める
- 12.9インチが欲しい
- 512GB以上の容量が欲しい
プロフェッショナルユーザーやクリエイティブなタスクに特化したユーザーにとって、iPad Proは理想的な選択肢です。高性能なプロセッサーと多彩な機能を搭載し、グラフィックデザイン、ビデオ編集、3Dモデリングなどの高度な作業に対応しています。また、大きな画面サイズと高解像度のディスプレイは、マルチタスクや詳細な作業に適しています。さらに、LiDARスキャナーが搭載されており、AR(拡張現実)アプリケーションの開発や体験にも適しています。
iPad Airが向いてる人
- 価格を抑えたい
- おしゃれなカラーを選びたい
- 手書きはするけどメモやノートがメイン
手軽に持ち運びできるサイズと軽量なデザインは、日常のタスクやエンターテインメント用途に最適です。Web閲覧、メールの管理、ソーシャルメディアの利用などの基本的な作業に十分な性能を提供します。また、Apple PencilやMagic Keyboardなどのアクセサリーを利用することで、創造性を発揮することも可能ですが、プロフェッショナルな用途にはやや不向きかもしれません。
私がiPad Proを選んだ理由
私の利用用途だとiPadAirで十分ではあるのですが、以下の理由でiPadProを選びました。
手書きのデジタル化が最優先事項だった
iPadを導入するきっかけは手書きのデジタル化でした。仕事柄、新商品やWEBサイトのラフを多く描くことがあり、これまでは紙に描いてスキャンしデータ化する作業を行っていました。しかし、そのたびに使わない紙が溜まり、エコではないと感じていました。この課題を解決するために直接書き込めるiPadを導入することにしました。iPad ProとiPad Airのどちらを選ぶか迷った際に、リフレッシュレートの高さが、実際の手書き感覚に近いものを求める上で重要だと考えました。
カメラデザインとアクセサリの相性
iPad Proは、二眼カメラの構成を持っています。これにより、より高度な写真やビデオの撮影が可能です。最新のiPad Proモデルでは、広角レンズと超広角レンズが組み合わされており、より広い範囲の視野をキャプチャできます。また、LiDARスキャナーも搭載されており、より正確な深度計測を提供し、AR(拡張現実)アプリケーションに役立ちます。
一方、iPad Airのカメラは一般的に単眼の構成です。これは一般的な写真やビデオの撮影には十分ですが、Proモデルと比べると機能が制限されています。iPad AirにはLiDARスキャナーは搭載されていません。
iPadのカメラはそこまで使用頻度は高くないので性能面は気にしていなかったのですが、Magic Keyboardなどのアクセサリと合わせたときの印象で選びました。Magic KeyboardはiPadProのデザインがベースなのでiPadProのカメラがぴったり収まるように設計されているので、iPadAirを装着すると大きくくり抜かれた感じになります。
iPadAirはカメラ部分が小さいから使えるということで対応と謳われてます。実際、特に操作面で困ることはないので問題ないのですが、個人的なこだわりでちょっと気になってしまいました。
整備品や中古品でiPad Proを買う選択肢
iPadは本体だけ購入すれば良いわけではなく、保護フィルムやカバー、キーボードや Apple pencilなど周辺アクセサリも必要になり、トータルの金額を考えると安い買い物ではありません。
iPadProとiPadAirの比較をしてきましたが、利用用途で考えるとiPadProのほうがいいけど予算の都合でiPadAirを検討している方も多いのではないでしょうか。
その場合は、買ったあと後悔しないためにも整備品や中古品を購入することも検討してみてください。
整備品とは
整備品とは再生品や中古品など、元の製品とは異なる状態の製品を指す用語ですが、ここで取り上げる整備品は一度使用された製品が修理や清掃、検査などのプロセスを経て、元の状態に極めて近い状態に戻されたリファービッシュ品(再生品)を指します。
Apple製品は Apple公式やAmazonで整備品を販売しています。特にAppleはメーカーが直接検査しクリアした製品をきちんとパッケージングし販売しますので状態の非常に良いものを安く購入できます。
以前MacBookを実際にApple公式にて整備品を購入しましたが、外観やバッテリーなど気になる部分は新品に近い状態でした。割と最新モデルも多く販売されることもあるのでこまめにチェックしていると掘り出し物に出会えるかもしれません。
また、Amazonでも同様に「Amazon整備済品」として販売されることがあります。Amazonでよく買い物をされる方ならこちらでもよさそう。
中古品は出品者に注意
中古品はソフマップなど中古を取り扱っている大手企業もあればメルカリなどのフリマアプリなどで手頃なiPadProを購入することができます。
ただし、フリマアプリの場合は出品者と販売ページの情報をきちんと確認してください。
知識のある方でしたら正しい情報、正しい取り扱いをした上で販売されますがあまり詳しくない方が出品されることも多いです。型番やモデル名、容量の表記が間違っていたり傷があることが写真や文章では掲載されていなかったというケースもあります。
中古品を選ぶ際には中古専門店で探すか、フリマアプリでも状態がきちんと明記されていること、不明な点は出品者に確認して検討してみていただければと思います。
※フリマアプリでの購入を否定しているわけではありません。優良な出品者様は多くいらっしゃいます。
型落ちでも十分過ぎるスペック
新品で購入する場合は販売されているモデルに絞られますが、整備品や中古品は型落ちも多く存在します。一方で最新モデルは出回ることはありますが価格はあまり落ちません。
型落ちを選んで大丈夫なのか気になるかと思いますが、iPadProは高性能なタブレットです。
毎年ハード(iPad本体)は進化していますが、現状ではソフト(アプリ)が追いついてないのが現実です。
クリエイティブな人気アプリを使う上でのスペックだけで考えると実際には2018年モデルのiPadでも十分です。ただし、ダビンチリゾルブやFinal Cut ProなどM1以降のチップを推奨されるアプリも出てきています。
現時点ではそういったアプリを使用する予定がなくとも今後使いたいアプリがリリースされる可能性もあるので、これから購入するならM1以降のチップが搭載されているiPadを購入しておけば安心だと思います。
まとめ
私がiPad Proを選んだ理由
・手書きがメインだったからリフレッシュレートの差で選んだ
・カメラ部と周辺アクセサリのデザイン性の好み(こだわり)
iPad ProとiPad Airはそれぞれ異なるユーザー層をターゲットとされてはいますが、上記の理由が特段気にならない方と256GB以上の容量を必要とする方以外は、ほぼiPadAir5を選んでも満足できると思います。
価格差の分Magic KeyboardやApple Pencilなどの周辺アクセサリに予算を回してみてはいかがでしょうか。
iPadはプライベートでも仕事でもどちらのシーンでも活用できるデバイスです。<br>今回の内容が少しでもiPad購入の参考になれればうれしいです。